「うまく言えるようになってから発信しよう」は、順番が逆かもしれません 経営者のための発信コラム

「うまく言えるようになってから発信しよう」は、順番が逆かもしれません

2026-09-22|松井祐太(プロフィール)

考えていることはある。仕事へのこだわりも、お客さんに伝えたいことも、頭の中にはちゃんとある。

でも、いざ話そうとするとうまく言葉にならない。書こうとすると、もっと出てこない。

だから発信は、もう少し頭の中を整理してからにしよう。そう思って、そのままになっていないでしょうか。

「なんでそんなに言語化がうまいんですか」と聞かれました

先日、福岡で不動産の仕事をされている方と、1対1でお話しする機会がありました。発信がなぜ必要なのか、という話をひととおりしたあと、最後に聞かれたのがこの質問です。

「なんでそんなに言語化がうまいんですか」

正直に言うと、その場ですぐには答えられませんでした。最初に出てきたのは「考えてるからですかね」という、ありきたりな言葉です。

ただ、話しているうちに、自分でも気づいたことがありました。考えているだけなら、たぶん今のようには話せていない。

言葉は、頭の中では整いません

私がその場で答えたのは、こういうことです。

出しているから、です。

ブログを書く。人前で話す。私は所属している経営者の交流会で、短い時間で学びを共有する役目をよく担当しています。話したあとに「あそこ、すごく良かったです」と言われる部分がある。逆に、話していて自分で「なんか違うな」と感じる部分もある。

その「なんか違うな」が、まだ言葉になっていない場所です。

頭の中で考えているだけのときは、この違和感に出会えません。頭の中では、どの考えもそれなりに筋が通って見えるからです。口に出して、相手の顔を見て、はじめて「ここはまだ伝わる形になっていない」と分かります。

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違和感は、出したときにしか出てこない

話していて引っかかる場所が、まだ言葉になっていない場所です。考えているだけでは、その場所が見つかりません

言語化がうまく見える人は、最初から整った言葉を持っているわけではないと思います。出して、ずれて、直してを、人より多く回しているだけです。回した回数ぶん、「こう言えば伝わる」という感覚が手元に溜まっていきます。

言葉は、出したあとに整っていく
言葉は、出したあとに整っていく

「整理してから」だと、いつまでも出せない理由

ここで、冒頭の「もう少し整理してから」に戻ります。

この順番だと、困ったことが起きます。整理するための材料は、出したあとにしか手に入らないからです。

どこが伝わって、どこが伝わらなかったのか。どの言い方で相手がうなずいたのか。それが分からないまま頭の中で整理しても、同じところをぐるぐる回るだけになります。整理が終わる日は、なかなか来ません。

2
「うまく言えたら出す」は、材料が無いまま待つことになる

言葉を整える材料は、相手の反応です。出さないと、その材料が一つも届きません

思い当たる経験は、たぶん誰にでもあります。同じ説明を何度もしているうちに、だんだん短く、分かりやすくなっていった。最初の1回目から上手に話せた人は、あまりいないはずです。

最初の1本は、下手でかまわない

だから、発信の最初の1本は、うまく言えていなくてかまいません。むしろうまく言えていない1本を出すことが、言葉を整える一歩目になります。

出してみて、反応を見る。反応が無くても、読み返して自分で引っかかる場所が見つかります。そこを直して、また出す。

うまく言えていない1本を、まず出してみる

完成させてから出すのではなく、出してから直すつもりで

話していて「なんか違う」と感じた場所をメモしておく

そこが、次に言葉にする場所です

とはいえ、何を書けばいいのかも分からない、という方もいると思います。自分のことを自分で言葉にするのは、そもそも難しいものです。その理由は「うちには書くことがない」と言う会社ほど、書くことがあるに書きました。私たちは質問に答えていくだけで1本できる仕組みも用意していて、最初の1本は無料で作れます。問われて答えるのも、立派な「出す」です。


最後に

もし今、「もう少し整理してから発信しよう」と思っているなら、その整理は、たぶん出したあとにしか進みません。

うまく言える人は、うまく言えるようになってから話し始めたわけではない。話しているうちに、うまく言えるようになった人です。

あなたの頭の中にある考えも、一度外に出してみると、言葉のほうから整い始めるかもしれません。

松井祐太
松井祐太株式会社Four Aces 代表

映像制作会社を経営しながら、AIで経営者の発信を仕組みにする「Tanemi」をつくっています。たとえばサロンを選ぶとき、どんな人がどんな想いで向き合ってくれるかは、ポータルサイトの条件だけでは伝わりませんよね。発信は、その「あなた」を届ける場所です。だから、お客様には「この人にお願いしたい」と選ばれます。採用も同じで、まだ発信していない人が自分の魅力を言葉にできたら——業界やエリアを越えて、その人に本当に合う仲間や従業員との出会いが増えるはずです。発信を通じて、そんな出会いと、幸せになる人を増やしたい。人生が輝くきっかけを、つくり続けたいと思っています。

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