書く理由が「集客」しかない会社は、たいてい途中で止まります 経営者のための発信コラム

書く理由が「集客」しかない会社は、たいてい途中で止まります

2026-08-19|松井祐太(プロフィール)

発信を始めるとき、たいていの会社はこう考えます。「新しいお客様に見つけてもらうために書こう」と。

私もそう思っていました。ブログもSNSも、集客の道具だと。

でも最近、少し違うことを考えています。集客は、いちばん遠い。だから、そこから始めた発信は止まりやすいのではないか、と。

なぜ、集客のための発信は続かないのか

集客のために書くというのは、まだ自分の会社を知らない人に向けて書くということです。

考えてみると、これはかなり難しいことをしています。相手はこちらを知りません。探してもいません。何かのきっかけで偶然たどり着いて、そこで初めて読む。そういう人に向けて書いている。

当然、読まれるまでに時間がかかります。書いて、しばらく置いて、また書いて、それでもすぐには反応がない。

そして、こうなります。

1
反応がないので、手応えがない

誰が読んだか分からないまま、次を書くことになる

2
効果が出る前に、判断してしまう

「意味がないのでは」と思い始める。たいていここで止まる

3
止まったことを、自分のせいにする

続かないのは根性の問題だと思ってしまう

でも、これは根性の問題ではないと思っています。いちばん遠いところから始めたからです。

入り口は、ほかにもあります

発信で届く相手は、お客様だけではありません。私が見ているかぎり、入り口は3つあります。

同じ1本でも、誰に向けるかで着地が変わる。読者との距離も違う。
同じ1本でも、誰に向けるかで着地が変わる。読者との距離も違う。

集客は、いま書いたとおりです。まだ知らない人に、見つけてもらう。いちばん遠い。

採用は、ぐっと近くなります。求人を見て応募を迷っている人は、必ず会社を調べます。社名で検索して、サイトを見て、社長がどんな人かを探す。つまり向こうから読みに来てくれるわけです。書いたものが読まれるまでの距離が、集客とはまるで違います。

定着は、いちばん近い。読むのは、もう社内にいる人です。配れば、その日に読まれます。探してもらう必要も、見つけてもらう必要もありません。

採用は、いま書いたものが今週読まれる

採用を入り口にすると、何が変わるか。手応えが早いことだと思います。

求人媒体に出すだけでは、条件しか伝わりません。給料と勤務地と休日。それだけを並べたとき、求職者は条件でしか比べようがないので、条件がいい会社に流れます。

でも、応募を迷っている人が知りたいのは、たぶんそこだけではありません。入ったら何をするのか。誰と働くのか。どう教えてもらえるのか。そういうことは、条件表には書けません。

だから、そこを書いたものが1本あるだけで、比べられ方が変わります。しかも読むのは、すでに興味を持っている人です。今週書いたものが、今週読まれる。

正直に書いておくと、これで応募が増えると言い切ることはできません。募集を出す先を持っているわけではないので。ただ、来てくれた人が何を見て判断するかは、こちらで変えられます。

定着は、書いたその日に届く

もうひとつが、社内です。

ある経営者の方から、こう言われたことがあります。「これ、社内報として使いたい」と。自分がこういうことを考えている、というのを、みんなに伝える道具になる、と。

正直、私はその発想を持っていませんでした。でも聞いた瞬間に納得しました。

会社が大きくなるほど、社長と直接話したことがない社員が増えていきます。朝礼で話しても、その場にいない人には届かない。幹部を通せば、「何をするか」は伝わっても「なぜそうするのか」が落ちます。

そして話は消えますが、文章は残ります。あとから読み返せる。入ったばかりの人が過去にさかのぼることもできる。

その方はもうひとつ、こんなことも言っていました。全員が読むとは思っていない。でも記事があること自体が、話すきっかけになる、と。ここが現実的だなと思いました。全員に完璧に届けようとすると、たいてい何も始まりません。

3つとも、書くものは同じです

ここが、いちばんお伝えしたいところです。

入り口が3つあると聞くと、3種類書かなければいけないように思えます。でも実際は逆で、書く中身はほとんど同じです。

なぜこの事業をやっているのか。どういう判断でこう決めたのか。何を大事にして、何を断ってきたのか。経営者が普段考えていること——これが素材です。

変わるのは、着地だけです。

集客の記事なら

「この会社に頼みたい」と思ってもらうところに着地する

採用の記事なら

「話を聞きに行ってみよう」と思ってもらうところに着地する

社内向けなら

「そういうことだったのか」と、社員の中で腑に落ちるところに着地する

同じ話でも、着地が違えば別の文章になります。逆に言えば、着地を決めずに書くと、どこにも着かない文章になります。

これは私たちも一度やりました。採用のための記事を作ったつもりが、出てきたのは会社の自慢話でした。素材は良かったのに、集客の型のまま書いていたからです。その話は別の記事に書きました。

順番を変えると、続きやすくなる

まとめると、こういうことだと思っています。

近いところから始めると、手応えが早い。手応えがあるから、続く。そして続けたものが、あとから遠いところにも効いてくる。

社内向けに書いたものは、そのまま採用でも使えます。採用のために書いたものは、お客様が読んでも「こういう会社なのか」と伝わります。書いた資産は、消えずに積み上がります。

逆に、いちばん遠い集客だけを狙って始めると、積み上がる前に止まってしまう。私はここを何度も見てきました。

自分の会社は、どの入り口か

もし今、発信を始めようとして迷っているなら。あるいは一度始めて止まっているなら。入り口を変えてみるのがいいかもしれません。

集客から始めるのが悪いわけではありません。ただ、いちばん時間がかかる入り口だと知ったうえで始めるのと、知らずに始めて「効果がない」と判断してしまうのとでは、まったく違うと思います。

そして、どこから入っても、書く中身は同じです。あなたが普段考えていること。それが素材です。

Tanemiは、問いに答えていくだけで、あなたの考えが記事の形になる道具です。どの入り口から始めるかも、対話の中で決まっていきます。まずは無料で1本、こちらから試してみてください。

松井祐太
松井祐太株式会社Four Aces 代表

映像制作会社を経営しながら、AIで経営者の発信を仕組みにする「Tanemi」をつくっています。たとえばサロンを選ぶとき、どんな人がどんな想いで向き合ってくれるかは、ポータルサイトの条件だけでは伝わりませんよね。発信は、その「あなた」を届ける場所です。だから、お客様には「この人にお願いしたい」と選ばれます。採用も同じで、まだ発信していない人が自分の魅力を言葉にできたら——業界やエリアを越えて、その人に本当に合う仲間や従業員との出会いが増えるはずです。発信を通じて、そんな出会いと、幸せになる人を増やしたい。人生が輝くきっかけを、つくり続けたいと思っています。

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