社員が増えるほど、社長の考えは届かなくなる——発信は社外だけのものではない 経営者のための発信コラム

社員が増えるほど、社長の考えは届かなくなる——発信は社外だけのものではない

2026-08-07|松井祐太(プロフィール

先日、ある経営者の方と話していて、はっとする言葉をいただきました。

その方はいま、会社を大きくしている真っ最中です。新卒の内定承諾がすでに6名、来年は60〜70名、その次は80名規模を目指している。勢いのある会社です。

その方が、こう言ったんです。

社内報として使いたい

「これ、社内報として使いたいんですよ。"俺がこういうことを考えている"を、みんなに伝えるツールになる」

発信ツールを、社外ではなく社内に向けて使う。私はこの発想を、正直まったく持っていませんでした。でも聞いた瞬間、深くうなずいてしまいました。この記事では、その理由を書きます。

会社が大きくなるほど、考えは薄まっていく

社員が5人のころは、社長の考えは自然に伝わります。同じ場所にいて、同じ会話をしているからです。わざわざ「伝えよう」としなくても、日々のやりとりの中で共有されていく。

でも、20人、50人と増えていくとどうなるか。社長と直接話す機会が、ほとんどない社員が出てきます

朝礼で話しても、その場にいなかった人には届かない。幹部に伝えても、そこから先は伝言ゲームになる。しかも、伝わるのはたいてい「何をするか」だけで、いちばん大事な「なぜそうするのか」が落ちていきます

1
人数が増えると、接点が減る

社長と一度も話したことがない社員が生まれる。悪意ではなく、単純に物理的な問題

2
伝言では、理由が落ちる

「これをやる」は伝わっても、「なぜやるのか」は途中で消える

3
同じ話を、何度もできない

一度話して終わりでは残らない。かといって毎回集めるのは現実的でない

「記事があると、話すきっかけになる」

その方の話で、もう一つ印象に残ったことがあります。全員が読むとは思っていない、という前提でした。

でも一定数はちゃんと読んでくれる。そして記事があること自体が、話すきっかけになる——そういう手応えを持っていらっしゃいました。

ここ、とても現実的だと思いました。全員に完璧に届けようとすると、たいてい何も始まりません。読んだ人が何人かいて、そこから会話が生まれるなら、それで十分に価値がある。

そして、これは口頭では起きにくいことです。話は消えますが、文章は残って、後から読める。入社したばかりの人が過去の記事をさかのぼることもできる。読んだ人が別の人に「これ読んだ?」と渡すこともできる。

じつは、その会社にはすでに社内報があった

後日あらためて話を聞いて、腑に落ちたことがあります。その会社では、今年から社内報を始めていたのです。

つまり「社内報として使いたい」は、思いつきで出た言葉ではありませんでした。器はもう作った。でも、埋める中身のほうが大変だったという話だったんです。

これは、社内報を始めた方なら分かると思います。器を作るのは、じつはそんなに難しくない。大変なのは毎号の中身です。企画を考えて、原稿を書いて、締め切りが来る。続かなくなる理由は、器がないことではなく、中身が毎回ゼロからだからです。

だからその方は、こう考えたわけです。日々の会話から自分の考えが記事の形になるなら、それをそのまま社内報に載せればいい、と。新しく何かを始めるのではなく、すでにある器に、無理なく中身が流れ込む形にする。

社外向けと、社内向けは、じつは同じもの

ここで大事なことがあります。社内向けだからといって、別のものを書く必要はないということです。

経営者が外に向けて書く記事は、たいてい「なぜこの事業をやっているのか」「どういう判断でこう決めたのか」という話になります。これはそのまま、社員がいちばん知りたいことでもあります。

1本書けば、3つに効く。発信を「集客のためのもの」と考えていると、この3つ目が見えません。

同じ1本が、お客様・求職者・社員の3方向に効く。
同じ1本が、お客様・求職者・社員の3方向に効く。

採用の場面では、さらに効く

規模を大きくしている会社ほど、この効果は大きくなります。

採用で人が入ってくると、その人たちは会社の歴史を知りません。なぜこの会社が生まれたのか、社長が何を大事にしているのか。入社時の研修で一度説明されても、それだけでは自分のものになりません。

でも、社長の考えが記事として積み上がっていれば、いつでも読み返せます。言葉が残っている会社と、残っていない会社では、数年後の浸透度がまったく変わると思います。

まとめ——発信は、外だけのものではない

発信というと、どうしても「集客」「新規のお客様」を思い浮かべます。でも、あなたの考えを届けたい相手は、外だけにいるわけではありません。

いちばん近くにいて、いちばん深く知ってほしい人たち——それは、一緒に働いている社員かもしれません。

もし今、「最近、自分の考えが現場に伝わっていない気がする」と感じているなら。足りないのは会議の回数ではなく、あなたの考えが読める形で残っていないことかもしれません。

Tanemiは、問いに答えるだけで、あなたの考えが記事の形になる道具です。社外へ届けるのはもちろん、社内に向けて残していく使い方もできます。まずは無料で1本、試してみてください。

松井祐太
松井祐太株式会社Four Aces 代表

映像制作会社を経営しながら、AIで経営者の発信を仕組みにする「Tanemi」をつくっています。たとえばサロンを選ぶとき、どんな人がどんな想いで向き合ってくれるかは、ポータルサイトの条件だけでは伝わりませんよね。発信は、その「あなた」を届ける場所です。だから、お客様には「この人にお願いしたい」と選ばれます。採用も同じで、まだ発信していない人が自分の魅力を言葉にできたら——業界やエリアを越えて、その人に本当に合う仲間や従業員との出会いが増えるはずです。発信を通じて、そんな出会いと、幸せになる人を増やしたい。人生が輝くきっかけを、つくり続けたいと思っています。

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