経営者のための発信コラム
お客様がAIに聞いたとき、あなたの会社の名前は出てきますか
「AI対策、そろそろやったほうがいいのかな」
そう思いながら、何から手をつければいいか分からない——そんな方は多いと思います。調べても、聞いたことのないアルファベットの用語ばかりが出てきて、読む気が失せる。私もそうでした。
この記事では、そうした専門用語をできるだけ使わずに書きます。(それでも気になる方のために、記事の最後に用語の意味をまとめておきました)
先日、検索まわりの専門家の方に、1時間ほど教えていただく機会がありました。私は自分のサービスで検索データを毎週見ているので、そこそこ分かっているつもりでした。でも聞いてみると、知らないことがいくつもありました。
今日はその中で、経営者にとっていちばん大事だと感じたことを書きます。
AIに聞いて会社を探す人が、実際に増えている
まず驚いたのが、AIから問い合わせが来ているという話でした。
その会社では、新規の問い合わせのうち1〜2割が、すでにAI経由に切り替わってきているそうです。お客様がAIに「うちのサイト、これで大丈夫ですか」と聞いて、返ってきた答えの中にその会社の名前が出てきた。それを見て問い合わせてきた——という流れです。
検索窓に打ち込むのではなく、AIに相談して、出てきた会社に連絡する。もうそういう買い方をする人がいる、ということです。
「AI対策」の中身は、実はこれまでと同じだった
ここで、私がいちばん腑に落ちた話があります。
その方は、こういう趣旨のことをおっしゃっていました。AI対策と銘打ったセミナーをいくつも見てみると、言っていることは結局これまでと同じだった、と。
良質なコンテンツをつくりましょう。読む人にとって意味のある情報を届けましょう。会社としての信頼を高めましょう——どれも、昔から言われてきたことばかりです。呼び名が新しくなっただけで、やるべきことは変わっていない。
これは、正直ほっとする話でもありました。新しい何かを覚え直さないといけないわけではない、ということなので。
リンクがなくても、名前が出るだけで効く
そして、いちばん面白かったのがこの話です。
こういうたとえで説明していただきました。
ラーメン屋のたとえ
あなたがラーメン屋をやっていて、私が食べに行った。おいしかったので、写真を撮ってSNSに書く。「ここのラーメン、めちゃくちゃうまい。今日は醤油だったけど、次は味噌を食べたい。みんな行ってみて」——お店の名前と、場所も添えて。
このとき、私の投稿からあなたのサイトへのリンクは貼られていません。ただ、お店の名前が出ているだけです。
でも、それでも効くのだそうです。リンクがあれば当然それも良い。けれど、リンクがなくても「名前が挙がった」こと自体がカウントされる、と。
言われてみれば、たしかにそうです。AIは、その会社が世の中でどう扱われているかを見ている。あちこちで名前が出ている会社と、どこにも出てこない会社では、前者のほうが「ちゃんとした会社らしい」と判断されるのは自然な話です。
お願いしないと貼られない。相手にひと手間かけさせることになる
紹介、感想、話題に出る。日常の中で起きることがそのまま効く
人が話したくなる会社であることが、そのまま評価につながっていく
見つけてもらえない会社の、いちばん多い理由
では、逆に見つけてもらえないのはなぜか。
いろいろ教えていただいた中で、私が受け取ったのはとてもシンプルなことでした。そもそも、その会社の情報が世の中に少なすぎる、ということです。
自社サイトに記事がほとんどない。他の場所でも名前が出てこない。この状態だと、AIが探しにいっても参照するものが無い。良し悪し以前に、判断する材料がないんです。
これは、発信していない会社が損をしているという話でもあります。もともと検索でそうでしたが、AIが相手になると、この差はもっと開くのではないかと感じました。
私が受け取った結論
長く話を聞いて、私なりに受け取ったのはこういうことでした。
まず、書いていないものは、見つけてもらいようがない。 記事でも、SNSでも、どこかに残っていないと、そもそも土俵に乗りません。
そして、あなたにしか書けないことを書く。 どこかで読んだような一般論を並べても、それはすでに世の中にあふれています。参照される理由になりません。
さらに、名前が出る機会をつくる。 これは自分だけでは完結しません。人に話してもらう、紹介してもらう、感想を書いてもらう。そのためには、まず知られている必要がある——結局ここでも、発信に戻ってきます。
難しい言葉に、振り回されなくていい
この分野には、次々と新しい言葉が出てきます。私も今回、はじめて聞く用語がいくつかありました。正直に言うと、その場では半分くらいしか分かっていませんでした。
でも、覚えておくべきことはシンプルだと思っています。
自分にしか書けないことを、ちゃんと外に出しておく。 それだけです。呼び名が変わっても、AIが賢くなっても、ここは変わりません。むしろ時代が変わるほど、効いてくるのだと思います。
新しい対策を追いかける前に、まず自分の会社の言葉が、どこかに残っているかを確かめてみてください。
参考:この分野で出てくる言葉
本文では使いませんでしたが、調べると必ず出てくる言葉をまとめておきます。覚える必要はありません。人から言われたときに「ああ、あれのことか」と分かれば十分です。
| 言葉 | かんたんに言うと |
|---|---|
| SEO(エスイーオー) | 検索したときに、自社が上のほうに出るようにすること。昔からある考え方 |
| AIオーバービュー | Googleで検索したとき、結果の上に出てくるAIの回答。ここに載ると見てもらいやすい |
| AIO(エーアイオー) | そのAIの回答に載るようにすること。呼び方が新しいだけで、やることはSEOと大きく変わらない |
| LLMO(エルエルエムオー) | ChatGPTなどのAIに聞かれたとき、自社が答えに出てくるようにすること |
| GEO(ジオ) | LLMOとほぼ同じ意味で使われることが多い言葉。生成AI向けの対策 |
| サイテーション | リンクがなくても、社名やサービス名が他の場所で挙がること。本文で書いたのがこれ |
| 被リンク | 他のサイトから自社サイトへ貼られたリンク。昔から評価に効くとされてきたもの |
| E-E-A-T(イーイーエーティー) | 経験・専門性・権威性・信頼性。Googleが良い情報かを判断するときの考え方 |
| 一次情報 | 自分が実際に体験して得た情報。他から借りてきていないもの |
並べてみると分かるのですが、上の3つ(AIO・LLMO・GEO)は、言っていることがかなり重なっています。呼び方が増えているだけ、という側面もあります。
だからこそ、用語を追いかけるより、自分にしか書けないことを出すほうに時間を使うのが良いと思っています。
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